新刊!
西京 バックステージ仕込み人
      [上]・[下]

ISBN

978-489380-491-4/492-1
陳 彦
菱沼彬晁

企画・編集

中国作家協会/日中演劇交流 話劇人社

定価各

2,700円
初版
2019年11月15日
舞台裏から見た中国現代化の強烈な光と漆黒の影─
華やかな舞台を陰で支える「仕込み人」たちが抱える人間模様の迷宮
かつては長安と呼ばれた陝西省の省都・西京(西安)。その劇場の華やかな舞台を支える裏方集団。時間との闘いで最新の照明器材や華麗な舞台装置を現場で仕込むのは、中国では農村からの出稼ぎ人たちだ。劇場管理者、演出家、照明家、美術家らの過酷な要求と対峙しつつ、裏方集団をまとめて幕を開けるリーダー・順(シュン)。
舞台以上に劇的でシュールでさえあるその生きざまを描く長編小説。
中国で連続テレビドラマ化決定/2020年春放映開始。

私は20年以上、劇作と舞台マネジメントの仕事をしてきました。大量の時間をステージ・ワーカーたちと共に過ごし、彼らの暮らしと仕事ぶりを具に見てきました。舞台裏でのできごとは、舞台上で演じられることよりはるかに生き生きとして、時にはるかに深刻で苛烈です。時にドラマチック"シュール"な場面を呈し、寓話的、象徴的な色彩を帯びることさえあります。
これらステージ・ワーカーは、中国では少数のテクニカル・スタッフを除いて外部からかり集められた非正規の臨時工です。長時間労働に耐えながら余人をもって替えがたい職人的な仕事ぶりを見せます。生計のためとは言え、現場に入ったが最後、夜を日に継いで切れ目のない作業が続きます。
人間の社会は少数者が舞台に上がって見得を切り、また別の少数者が彼らのためにその舞台を仕込むのを特徴としています。歴史は舞台上の表現者をいつまでも記憶し続けますが、舞台の仕込み人の存在は煙波茫茫たる時の彼方に忘れ去られます。しかし、生命の中で私たちはすべてが表現者であり、同時に仕込み人でもあるのです。                
作者〈日本の読者のみなさまへ〉より

目次 西京 バックステージ仕込み人 上

日本の読者のみなさまへ……陳 彦

西京 バックステージ仕込み人 上

目次 西京 バックステージ仕込み人 下

西京 バックステージ仕込み人 下

後書き 忘れられない記憶に寄せて……陳 彦

シルクロードの風に吹かれて──西京グルメガイド
  ……国際協力交流センター 任双双

解説 都市化が生んだ奇人たち……中国作家協会外聯部副主任 李錦●(埼のへんが王)

 陳 彦(ちん・げん、Chen Yan)

1963年6月、陝西省鎮安県生まれ。小説家、劇作家。
劇作は『遅開的●瑰(遅咲きのバラ)』『大樹西遷』『西京故事』など数十作品。
テレビドラマは『大樹小樹』など。
[●(攻のへんが王)]
長編小説は『西京故事』『装台(西京 バックステージ仕込み人)』『主角(主役)』など。
受賞は中国文聯・中国劇協の「曹禺戯劇文学賞」と中国文化部の「文華編(劇作)劇賞」に3作品、「国家舞台芸術精品工程・十大精品Top ten productions of the national fine stage arts project」に3作品。
テレビドラマ『大樹小樹』に国家新聞局の「飛天賞」。
『装台(西京 バックステージ仕込み人)』は中国小説学界選考の「2015年度長編小説部門ランキング 第一位」、国家図書学界の「2015年度中国好書・文学芸術部門ランキング第一位、2017年度「呉承恩長編小説賞」。
『主角(主役)』は第3回「施耐庵長編小説賞」、第3回「2018年度長編小説部門ランキング第一位」、「2018年度中国好書・文学芸術部門ランキング第一位」、中国作家協会の2019年度第10回「茅盾文学賞」。

〈注〉呉承恩は『西遊記』の作家、施耐庵は『水滸伝』の作家とそれぞれ目されている人物。

 李 錦●(り・きんき) [●(埼のへんが王)]

1965年北京生まれ。首都師範大学日本語学科卒業。中学作家協会外聯部副主任。中国日本文学研究会常務理事。中国作家協会会員。『人民文学』日本語版『灯火』翻訳監修、翻訳家。
辻井喬、三浦哲郎、黒井千次、井上ひさし、立松和平、高樹のぶ子ら現代日本の中短編小説、劇作、児童文学の中国語訳多数。

 任 双双(にん・そうそう)

中国上海市出身。2014年東京外国語大学大学院・総合国際学研究科・国際協力専修コース卒業、国際学修士号を取得。
日本で一般社団法人国際協力交流センターの設立に携わる。中日両国間の文化交流、民間企業・友好団体の共同事業を支援し、2019年4月、中国国家話劇院『リチャード三世』(王暁鷹演出)の東京芸術劇場公演の制作に当る。同年10月、中国作家協会の支援により陳彦作の長編小説『装台(西京 バックステージ仕込み人)』の日本語訳初版編集に協力。

 菱沼彬晁(ひしぬま・よしあき)

1943年11月北海道美瑛町生まれ。
早稲田大学仏文学専修卒業。
翻訳家、(公益社団法人)ITI国際演劇協会日本センター理事
日中演劇交流・話劇人社事務局長、元日本ペンクラブ理事。
中国現代演劇の主な訳業及び日本公演作品
・日本文化財団制作 江蘇省昆劇院日本公演 『牡丹亭』『朱買臣休妻』『打虎・ 遊街』
・AUN制作 孫徳民作『懿貴妃』
・松竹株式会社制作 孫徳民作『西太后』
・新国立劇場制作 過士行作『棋人』『カエル』
・ITI国際演劇協会日本センター制作 莫言作『ボイラーマンの妻』、過士行作『魚人』
・劇団東演制作 沈虹光作『長江乗合船(同船過渡)』『幸せの日々』『臨時病室』
・世田谷パブリックシアター制作 田沁●作「風をおこした男?田漢伝」
・豊島区・東京芸術劇場・ITI国際演劇協会日本センター共同制作 シェイクスピア作 方重、梁実秋中国語訳 『リチャード三世』
中国現代演劇の単行本、演劇誌掲載作品
・早川書房刊「悲劇喜劇」掲載 郭啓宏作『李白』
・晩成書房刊『中国現代戯曲集』掲載 
任徳耀作『馬蘭花』
過士行作『鳥人』『ニイハオ・トイレ(厠所)』『再見・火葬場』『遺言』
孟冰作『これが最後の戦いだ』『白鹿原』『市民溥儀(公民)』『皇帝のお気に入り(伏生)』『ミラーゲーム』ほか
中国現代小説の主な訳業
・■友梅作『さよなら瀬戸内海』(図書出版)
・莫言作『牛』『築路』(岩波現代文庫)
・過士行短編小説集『会うための別れ』(晩成書房)
中国現代演劇評論の訳業
・季国平著『中国の伝統劇入門/季国平演劇評論集』(晩成書房)
受賞 2000年(平成12年) 湯浅芳子賞

  
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