中学生のドラマ 10
    北から南から

ISBN

978-4-89380-433-4

日本演劇教育連盟

定価

2,000円
初版
2012年11月15日
銭函(ぜにばこ)まで 45分
 竹生 東・室 達志 男=3・女=3・他=10
このお芝居の一番のポイントはコロスの集団での「走り」です。
天才ランナー「健太郎」も、その友人・主人公「浩介」、そして浩介のガールフレンド「優子」も陸上部員です。
この物語は、不慮の死を遂げた「健太郎」の一周忌、彼の墓がある「銭函」(北海道・小樽にある地名)までお墓参りに行くという話です。
お墓に行くまでに回想される数々の"幻想"のような思い出たち。健太郎の唯一の理解者であった姉。栄光の陰に隠されていた健太郎の孤独。浩介の後悔。そして、健太郎の栄光と重なって見えてくる優子の不安と決意。
一人墓前で祈り続ける姉。その墓に向かって、すべての思いを一身に背負って懸命に「走る」浩介が、再び健太郎の魂と心を通わすのが、ラストシーンとなります。コロスの足音と息づかいがポイントです。

Huckleberry friends 45分
 志野英乃 男=4・女=4
喫茶店やペンションが点在する那須高原……。そこで暮らす少年少女のもとに、東京から1人の少女が加わって……。自然に抱かれて過ごすとっておきの夏休み……。

ふるさと 45分
 斉藤俊雄 男=6・女=9
自作を上演してくれた学校の一つが、津波の被害にあったことを知りました。それからずっと考えてきました。「自分に何かできることはないいだろうか。自分だからこそできることはないだろうか」と。そして、辿り着いたのが「ふるさと」です。元気になれる劇が創りたいと思いました。観た人が元気になれる劇、そして、それによって上演した人が元気になれる劇です。
「ふるさと」は古川里美(=ふるさと)が転校してきたことで、故郷を嫌いだった子どもたち全員が故郷を好きになる話です。内容に震災をイメージさせる部分はあえて入れませんでした。ただただ「あったかい劇になればいい」という思いを胸に創りました。
「ふるさと」は机とイスがあればどこでも上演できる劇です。教室でも体育館でも、校庭でも上演することが可能です。音響設備は必要ありません。場面転換では子どもたちが生で歌う「ふるさと」がバックミュージックとなります。
この劇は様々な上演形態で発表することができます。演劇部はもちろん、学級劇、学年・学校劇としても上演できます。

グッジョブ! 45分
 山崎伊知郎 男=4・女=7・他
親子七人が賑やかに暮らす宗方家。
今日は三女マスミの誕生日。それなのに……。チャイムが鳴るたびに事件が起きるこの家族、果たしてマスミの誕生パーティーは無事にできるのでしょうか?
「演じる人も観る人も、みんなが元気になれる劇」をめざした創りました!

覚えてないで 45分
 南 陽子 女=3
桜と桃は、いつでも一緒。
どちらかが、「覚えている?」と問えば、どちらかが「覚えてない」と返す。
それが二人の合言葉。
そこに後輩の華も加わって、毎日、笑ったり、泣いたり、演劇したり、当たり前の様に明日がやってくる。
そんな桜と桃には、尊敬するライバルがいる。
そして、二人で一緒に叶えたい夢がある。
そう。たとえ、何があっても……。
どれだけの永い時が必要になったとしても……。

LAST LETTERS FROM MOMO 45分
 松尾綾子 男=1・女=2
いじめられっ子ユキは決心してる。だいっきらいな人ばかりいる学校では口をきかないことを。でも転校生のモモちゃんとだけは手紙で心を通わせていたが…。部員の弁論文をヒントにした朗読劇です。

朗らかに〜今、知覧に生きる〜 45分
 永田光明/補作 田代 卓 男=2・女=6
明るく誰にでも優しい生徒会長のカナ。
それとは対照的に、かっして笑顔を見せない副会長のタイスケ。
「……小学校の時は、タイちゃん、明るかったんだよね。」
……なぜ、タイスケは笑わないのか? いや、笑わなくなったのか?
そこには、戦争の置き土産とも言うべき"ある記憶"があった。

"戦争もの"を、現代劇の中で、"朗らかに"上演することにこだわった作品です。
  
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